吉川壺堂画業50周年記念作品『涼を楽しむ猫』

絵画の紹介:

「涼を楽しむ猫」

著者: (日本語) 歌川国芳

扇版錦絵

21.6cm *28.8cm (オリジナルサイズ)

1830年代（天保年間）

東京国立博物館所蔵

    安部正弘のリーダーシップの下、日米通商友好条約が締結された。開化政策を唱え、海軍伝習所や外国語学院などを設立し、実際に日本の開国政策を大きく転換させた。右側の鷹匠の黒い衣には「 かん」 という雅号が書かれています。これは、虚弱な性格から「てんかん」とあだ名された第13代将軍・徳川家忠（ 1824～1858年）の比喩です。 「かん」 は「てんかん」の日本語読みです。軽い政治的色合いを持つ民俗芸術家としての歌川国芳の作品は、江戸市民の楽観的な性格を反映して、軽快な方法で幕府の専制政治を批判しました。

    幕藩体制は鎖国政策をとりましたが、次第に西洋からの影響が日本に入ってきました。歌川国芳は西洋麺の技法を研究するために何百枚ものヨーロッパのエッチングを注意深く収集し、遠近法や写実的な技法を模倣した多くの浮世絵を出版しました。

歌川国芳の武者絵や風刺画、幽霊神話が邪悪な雰囲気を醸し出しているとすれば、彼が好んで描く小動物はさらに別の種類の魅力を示しています。

歌川国芳は猫好きで特に有名で、洗練された筆致でさまざまな姿の猫を描くのが得意です（図24 ）。彼はスタジオのいたるところに猫を飼っていただけでなく、絵を描いている間もよく猫を腕に抱いていました。猫は日本独特の文化現象です。江戸時代には、猫が人に憑くという話が数多くありましたが、その迷信や偏見が猫に謎をもたらしました。そのため、歌川国芳は猫の擬人化も得意としており、猫を運び屋として現実を比喩し、市井の人々の日常を表現しています。